高脂血症の治療を考える

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心臓冠動脈の疾病などの明らかな動脈硬化の症状がない場合には、高脂血症の治療は生活習慣の改善と薬物療法を中心にして行います。

生活習慣を改善する目的は、血中脂質を下げるだけではありません。

高脂血症治療の基本

動脈硬化の進行を止めることもその目的です。

ですから、動脈硬化を促進し得るほかの要素、すなわち高血圧、耐糖能異常、肥満などの改善も視野に入れます。

そのおもな内容は、たばこを止めること、食生活を改善すること、適正体重を維持すること、運動することなどです。

なかでもとりわけ重要なのが食生活の改善で、これは適正体重の維持とも緊密にシンクロします。

やはり、高脂血症の原因がそもそも食生活である確率が極めて高いのですから、高脂血症の治療では食事の改善が最重要事項になります。

食餌療法の第1段階

食事療法には、2つの段階があります。

その第1段階は適正な食事にすることが目的となります。

第1段階を行っても血液中の脂質が目標値に達しなければ、第2段階へ移行します。

第1段階ではまず、総摂取エネルギーを適正化し、栄養素配分およびコレステロール摂取量の適正化も行います。

エネルギー摂取量は何を食べたかで算出します。

その適正量は身長体重などを基準に割り出します。

栄養素配分やコレステロールの摂取量も何をどれだけ食べたかで算出します。

例えば、炭水化物を60%、たんぱく質を15~20%…… などのように、細かく決められています。

コレステロールは1日に300mg以下となります。

食餌療法に入ると、気ままに飲食することは禁物です。

でもこれは「治療」であれば仕方ありませんね。

食餌療法の第2段階

第1段階で血液中の脂質が目標値に達しない場合は第2段階へ進みます。

第2段階は、病型別の食事療法と適正な脂肪酸摂取がテーマとなります。

高コレステロール血症の場合、脂肪由来のエネルギーを総摂取エネルギーの20%以下にするとか、コレステロール摂取量を1日200mg以下にするとか、飽和脂肪酸/一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸の摂取比率を、3:4:3程度にするなどのより細かな制限が加わります。

この他、高トリグリセリド血症の場合や高コレステロール血症と高トリグリセリド血症が共存する場合、または高カイロミクロン血症の場合などについてもそれぞれ細かな制限事項があります。

このような食餌療法に薬物治療などを加えて高脂血症の治療がなされます。

治療としての禁煙と運動

食事以外にも改善すべき生活習慣はたくさんあります。

そして、「治療」の一環としてもこれを是正することが指導されることになります。

まず、禁煙です。

動脈硬化だけでなく、がんや呼吸器疾患などのためにもやめるべきです。

そして運動量を増やすことが指導されます。

これは、動脈硬化性の病気が潜んでいないかどうかを入念に調べた後に、初めて指導されます。

スポーツをするだけではなく、日常生活で身体活動を増やすための工夫をすることも大切です。

具体的な運動の中身としては、有酸素運動を中心に、1日30分以上、週に3日は運動をします。

そして、日常生活の中では積極的に家事に参加する(例えば掃除や洗濯物の取り込みなど)ことも、運動量を増やすためには有効です。

適性体重の維持

この他、適正体重の維持も大切です。

太りすぎの場合、内臓脂肪がたまったり、血液中の脂質代謝の異常や耐糖能異常などが起こり、動脈硬化を促進します。

適正体重を維持すること、すなわち太りすぎないようにすることも、高脂血症や動脈硬化の治療、予防のために大切です。

ところで、何をもって適性体重とするかについてはいろいろな考え方がありますが、BMI(body mass index:体格指数)で評価する方法があります。

これは、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)と言う式で算出します。

身長1.7m体重70kgの場合は、24.22となります。

BMI 25以上が肥満で、22が理想的とされていますので、このケースだともう少し痩せた方が良いという判断をすることになります。

高脂血症の薬物治療

どうしても生活習慣が改善できない場合や、生活習慣を改善しても血液中の脂質の数値が下がらない場合、動脈硬化が進む可能性が高くなり、さらにそこから心筋梗塞や脳梗塞へと進む危険性が高くなります。

そうなると、薬物療法も行われることになります。

また、前出の家族性高コレステロール血症の場合は、すぐに薬物療法から入ります。

一般に、高脂血症の場合は、食事療法を3~6カ月ぐらい続けて様子を見ます。

そしてそれでもコレステロール値や中性脂肪値が下がらない場合、薬物療法に入ります。

医師が薬物治療を必要であると判断しなければ薬物治療は行えません。

しかし、薬が出たからと言って、それで安心することはできません。

あくまで、大切なのは生活習慣の改善です。

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